10/15、福島は秋が始まっていた。

この日は料理教室。
でもコロナで調理はナシ、試食を配ることになった。
それが逆に大変。だって20数人分だから。
今日もまたスタッフさんが頑張ってくれている。

その背中が頼もしい。感謝💛

調理室にリンゴが、転がっている。
都会のスーパーに並ぶのとは違う、素朴なりんご達。

食改善アドバイスとしては、病人には果物を勧めない。
冷えるから、免疫力も再生力も落ちちゃうというのがその理由。

でもりんごは別。
イギリスでは、「りんごに医者いらず」という諺があるそうだ。

薬膳でも、りんごは温熱性とか寒涼性でなく、平性。
つまり刺激が少なく、病人にも、断食の補食としても使われる。

世界共通で、りんごは「薬になる」果物なのだ。

熱のある病人には、生のすりおろしを。お腹がゆるいときにも。

熱を冷まし、消化吸収力を高める。

 冷えのある病人には、リンゴを皮ごとカットして煮れば、アップルティに。空咳が出るときの薬だ。赤い皮が美しいお茶にしてくれる。


火を通すと下痢止め効果に。ダイエットにも使われる。
水分代謝を高める効果もあるので、肺が潤い呼吸が楽になる。

 
でも私は丸かじり。いつも“丸ごと”だもんね!!

 皮には“りんごポリフェノール”という抗酸化物質が。
CMでは、あの有名人もこの著名人も、セサミンを飲んで元気だって・・・。
でもりんごポリフェノールは、セサミンの17倍だからね!

・・って、私がドヤ顔するのはヘンですか?(笑) 

私が“丸ごとりんご派”なのは、かぶりついたときに水気が、パシュッと飛び散るあの瞬間がたまらないからだ。
顔にかかるしぶきが、真っ赤なりんごと一体になったと思わせる。
幼い昔と、父母の笑顔とが、そこに蘇る。

でも都会に転居してからは、ついぞ水気が飛ぶようなりんごには出会えない。

 テーブルに転がっているりんごを、これは売り物にならないからと、リンゴ農家をしている人が恥ずかしそうに言った。

とんでもない。手をかけ、気をかけたりんご、味が見た目で変わるはずもない。
 ・・またまた講座の前に、二本松での果物農家の苦悩を見た。

 傷リンゴは、ジュースやジャムにするというけれど、パシュッと飛び散る水気を、疲れた都会人に浴びさせたい。
元気が蘇るに決まってる。 😆 

今日は丸ごと野菜スープを、スープと中身に分けて試食する。
そして塩発酵させたトマト・豆腐・納豆を、作って5日目と7日目を食べ比べてもらうのだ。


 これが一人分。仕込んでからの日にちが、お皿に5・7と印がある。
左上⇒丸ごとの中身
右上⇒5日目の塩発酵トマト・納豆・豆腐
右下⇒丸ごと野菜スープのスープのみ
左下⇒7日目の塩発酵トマト・納豆・豆腐

 じつは私の著書「食こそ最高の薬になる」が発売された当初から、何人かの読者が私の勧める丸ごと野菜スープや塩発酵食を実践してくれている。

偶然にも、その一人が二本松の方だった。
一年前から実行しているのだが、使用前、使用後に明らかな違いがあった。

若くなっているのだ。肌もピン。背筋もピン。79才だって!!


この方の作った塩発酵トマトがお皿に配られ、説明をしてもらう。
身近な実践者のその結果は、目にも歴然だ。
参加者も身を乗り出して、アレコレ質問が飛ぶ。

「塩発酵の豆腐を食べると、舌に塩気が残りますが、塩が多くないですか?」

きたきたぁ~ みなさんもそれが気になってるだろう。
こうした疑問や不安は大歓迎。
褒められるよりじつは好きかも。(⌒∇⌒)

 『そうですよね。かなり塩を使います。減塩が叫ばれているのにね?
発酵は空中の黄麹菌が頼り、けど腐敗菌も空中にウヨウヨしてます。だから塩は殺菌するのが目的です』

 塩発酵のトマト・豆腐・納豆は、初めは塩がきついが、日がたつほどに、塩がまろやかになる。
そのときには、塩が旨味を引き出しているのだ。
つまり食べ頃。
でもご用心、塩が引っ込むと腐敗が始まり、酸っぱさがでてしまう。

 これが発酵の難しいところ。

けど毎日変わる味に、おいしい時期を見逃さない練習も楽しくて、塩発酵食品のとりこになったと、その実践者は語ってくれた。

 「どんな塩がいいでしょう?」

『そう、塩って種類がたくさんで迷いますよね。塩はミネラル量を見てください。塩が危険視されているのは、ナトリウムの多すぎる塩のことです』 

 私たちの体には体液が80~70%。体液は海水と同じミネラルが85種もあるという。その比率が崩れないよう体は常に調整する。

 それなのに塩を目の敵にしていると、ナトリウムが足りない病気になる。
吐き気・嘔吐・疲労感・頭痛・筋けいれん、意識さえなくす。

それで救急車で運ばれた人がいた。水の飲みすぎで、ナトリウムが薄くなってしまったのだ。
4週間も死線をさまよったそうだから、塩はやっぱり大切だ。

『岩塩は古い地層から出た塩なので、高濃度のミネラルが含まれているんですが、それは三ツ星シェフに任せて、ふだんに使うのは海水から採った塩が体には害がないでしょう』

 伊勢の二見が浦で作られた塩は、体に優しい。
ちょっと高級なので、炊き立てご飯の塩むすびと、くたびれたときの気付け薬に,ケチケチ使っている。(笑)  

岩戸の塩について | 岩戸の塩工房 (iwatonosio.com)

そしたらなんと「それうちで売ってます」と声が。
東京でも見つからないのに、それを売ってるなんてお目が高い!!

まったく二本松の参加者は、みなさん意識が高かった。

こんなに質問やらダメ出しが多くて、講座がわくことがあったろうか。
それも納得できることばかり。
で、私のワクワク止まりませ~ん。

講座って参加者で80%作られるんだよね。
ご参加の皆様、おかげで良い講座になりました。
ほんとにほんとにありがとう。

この子たちもすごかった。
講座中もぐずりも騒ぎもせず、終わればこんなニコニコで、りんごを頬ばっているんだもの。

そして、丸ごと野菜スープの残りを、喜んで持って帰ってくれた。
離乳食にほしいって。そうかその手があったか!!
うれしい、うれしい。こんな若いお母さんが増えてくれれば。

🙂 :lol:  🙂 😆  🙂 😆 🙂 :lol:  🙂 😆  🙂 😆