今年はいつもより寒かった冬。

そんな年は、花粉が怖い。

でも最近は良く効く薬があるそう。

 ちょぉ~っと、待って!
 花粉症は十把ひとからげの治療法ではダメですよぉ~!!

 

花粉症は原因がそれぞれ。

杉とかブタクサとか花粉の種類ではなく、原因はこちら側。

外敵の花粉に、負けたり過剰反応しちゃってるのは防衛体制の不備なんです。

先日、まぶたまで真っ赤に腫れ、目も開けられないほどの男性が訪ねてきました。

「花粉が飛ぶ前に薬を飲んでおけばよかったのに、ちょっと遅れたらもうこんなです」
と嘆くその人はITのシステムエンジニア。
根を詰めた仕事は深夜まで続くので、とうぜん食事は不規則。

ランチは仕事の合間に、コンビニの野菜サラダやナッツを食べます。
生野菜だと沢山摂れないから、チンして食べてるそう。
深夜に帰宅して野菜サラダ。お休みにはコロッケや肉料理。
炭水化物抜きの食生活は彼のポリシーですって。

そんな彼は腰掛(L字型)生活で、上半身に熱が籠ってしまった「②熱の籠り」タイプ。

忙しいからと腰も下ろさない彼の前に、私が黙って置いたのは炎症を抑える薬スープ。
元の材料は「丸ごと野菜スープ」(大根・人参・玉葱・生姜・白菜の芯・キャベツの芯・葱の葉先とひげ根)を煮だしたもの。

そのスープに、みじん切りの大量キャベツを入れてぐつぐつ。
仕上げにすった山芋を流しこみました。

元のスープには、大根・玉葱・白菜が入っています。
そして具には、キャベツと山芋。
これらは余分な熱を鎮め、下半身に熱を下ろす食材ばかりです。

慌ただしく帰る彼の背に、
「職場で簡単ランチをするなら、お湯で溶くしじみの味噌汁と昆布やナッツをかじって、5分でもいいから “かかと落とし”をしてね」と、声をかけました。
そうすれば上半身の血が下がり頭寒足熱に戻って、目の腫れも楽になるはずですから。

別の日には、①の冷えタイプの人への薬スープの調合。
その彼女は若いころから冷え性
色白美人だけど、それは血色不足のせいかもね。
風邪をひきやすく下半身は浮腫んで靴下が食い込むほどです。

で、毎年この季節はティッシュを箱ごと抱えるほど鼻水がたらたら。頭痛もあります。
そんな彼女にはやっぱり食べる輸血と言われるビーツです。

ベースは②で使ったスープの中身。
スープを何度も煮込んでいると野菜の形がなくなってしまう
それは野菜の抗酸化物質のエキス。だから薬にしましょう。
フードプロセッサーでポタージュ状にして冷凍すればいつでも使えます。

そこに加えたのはオーツ麦。タンパク質は肉顔負けの含有量。
抗酸化力が高く、植物エストロゲンは女性の味方、老化防止の効果もあります。
冷え性の人はエネルギー循環が悪いので、オーツ麦の滋養力に助けてもらいます。

そこへビーツの茹汁を混ぜると、いきなり味に深みと旨味が倍増。
冷えやすい人には、ポタージュなどとろみのある汁が体を温め、鼻水が止まります。

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さて、③④のタイプですが、これはちょっと根が深いんです。
症状をすっかり直すには長期に構えた体質改善がベストですね。
でもそんな悠長なこと言っていられない辛さですよね?

③の呼吸器が原因の人の症状は⇒
 耳の奥がかゆい・喉がイガイガする・空咳・クシャミが出る・痰が絡む・アレルギー体質

④の消化器が原因の人の症状は⇒
 粘りのある痰が出る・鼻づまり・目の充血・便秘がち・頭痛・ふだんも浮腫む・重だるい

以上4タイプですが、その症状が複数あてはまる人もあるでしょうね?
かわいそう~ きっとその辛さは、春だけではないのでしょう。

だから、症状の詳細は次に回して、
ここから先は、どんなタイプの症状にも必ず必要な食材を紹介しましょう。

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1)れんこん

  蓮根は、美しい蓮の花の、根ではなく「茎」
  東洋医学では、体の部位に似た食べ物が、その部位に効くと言います。

  節の多い蓮根は、「節」に効く。
  人間の節は関節。喉も関節部分。そこをスムーズにする潤滑剤が粘液です。
  体に熱がこもったり炎症があると、粘液が乾燥します。

  薬膳では、蓮根は体の余分な熱を冷まし、潤いを与えると言われます。
  肺の働きを高め、喉の炎症や渇き、咳、痰を改善。
  そして浄血・抵抗力を高める効果でも威力を発揮します。

  私の息子は蓮根で大きくなったようなもの。
  小児喘息だったので朝昼晩と蓮根ずくめ。そのおかげか、今も花粉症はありません。
  節に効果がたくさんあるので、こんな部位ばかり使ってました。

余談ですが、息子はよく手料理をふるまってくれます。先日は蓮根ハンバーグ。
ソースには彼の故郷の八丁味噌とウスターソースを合わせてました。
おいしかったぁ~~(⌒∇⌒) ペロリ。

2)海藻類(メカブ・もずく・昆布・ワカメ)

  海藻のネバネバヌルヌルは、自らの身を傷口や乾燥から守るための成分。
  それがフコイダン、いま注目を浴びてます。
  免疫力を高めウィルスの増殖を抑える働きがあるからです。
  抗アレルギー作用や、粘膜を保護する効果もあって、花粉症に期待大です。

3)山芋・里芋・オクラ・金柑

  苺ジャムを作ると自然にゼリー状になるのはペクチンの働き。
  ペクチンは皮にたくさんあるので、丸ごと食べる金柑は昔から喉の薬として使われました。
  でも市販の金柑は甘くて力がなさげ。
  農薬も心配なので庭なりの金柑があれば探して下さいね。

ちなみに花言葉は「感謝」です♪♪
山芋・里芋・オクラにもペクチンが含まれていて、粘膜を保護します。

 

4)発酵塩納豆

     市販の納豆に水と塩を入れて発酵させるだけ。「食こそ最高の薬になる」61頁参照。
 これは消化を良くして腸の粘膜も活性させますし、何より食卓に取り入れやすいですね。

 

   献立例=花粉症状を和らげる「蓮根のネバネバドレッシングかけ」

  • ドレッシングの材料<納豆・めかぶ・山芋(すべて細かく刻む)>
  • 調味料と合わせる<塩麹・酢・蜂蜜・葱醤油(醤油に刻みネギを入れたもの)>
  • 蓮根は皮ごとサッと蒸し輪切りにして、ネバネバドレッシングをかければ、もう薬です。

第二弾は、呼吸器と消化器が原因の花粉症、のお話しします。 (@^^)/~~~