“脾”は、クヨクヨしたり、怒り、悲しみ、ストレスにも左右される。
また過労・食べ過ぎ・甘い物・病原菌・有害ミネラルなどの影響も受けてしまう。
すると消化器に症状が現れはじめる。

・お腹が冷える・お腹が張る・ゲップやおならがよく出る・唇が荒れる
・口の中がねばる・背中が張る・背中が痛い・下痢傾向・胃がもたれる
・顔色が黄色っぽい・いつもより疲れやすい・気分が沈む

“脾”の悲鳴は、脇腹に熱を帯びて訴えかける。

脾臓の位置図

脾臓は左乳の下辺りにあるが(上図参照)、“脾気”はその周辺で働くので、
左わき腹や肋骨の下の部分(青い輪のあたり)に手を当てると、ホンワリと
高い温度を感じる。

判別できなかったら、別の部位と比べて温度差を感じてみる。
風邪のときに額に手を当てるように、フツーに分かる。(判別できなければ、
それは熱を帯びていないから)

熱さと共にこんな症状がないかチェックしよう。
「やる気が落ちた・イライラする・肩がこる・寝つきが悪い」

もしそうなら、“脾”がコントロール力を失って、緊張・興奮したままの、
「交感神経」が優位状態になっている。

つまり体も心も、緩まない(副交感神経が働かない)から、神経ピリピリ状態で、
騒音や雑踏、そして花粉などにもピリピリ反応してしまい、余計に疲れるのだ。

でもこんな人たくさんいそう、現代病かも知れないね?

 

というわけで “脾”をサポートする、
“おなか・にこにこメニュー”をお届け~ (⌒∇⌒)

下の写真は、①春の煮物 ②人参のキンピラ ③すじ肉のワインスープ味噌味
④黒米ご飯 ⑤蕪の柚子漬 ⑥青菜の納豆和え ⑦甘酒

人差し指イラスト にこにこメニューのポイントは・・・、
脾の働きを助けるために、胃腸を温め、粘膜を保護し、尿や便の排泄を
良くするように、食材や、味付け、調理法を工夫している。

 

① 春の煮物 =こんにゃく・竹の子・人参・大根

春は竹の子。竹の子のニョキニョキエネルギーには、抗ストレス作用がある
パントテン酸が疲労回復に一役。
またやる気や集中力を高めるチロシンが豊富なのだ。

そのうえ食物繊維にからめて、毒素を体外に排出してくれるから、脾臓は大助かり。
春の煮物は、だしは昆布と椎茸であっさり薄味にして、土鍋か厚底の鍋でじっくり
煮含めれば、鍋の中でエネルギーの対流が起き、脾の気を上げてくれる。

 

② 人参のキンピラ =人参・ごま油・ゴマ

単純なお料理だけどゴマの香りと甘味が深い。それ以上に薬効がすごい。
薬膳では血行を良くし、虚弱体質・病後・冷え性・低血圧に良いとされ
珍重されている。

それというのもβカロテンの量がズバ抜けて『抗酸化』に優れているから。
また皮膚や粘膜を丈夫にし視力、免疫力、アンチエイジングに。
リコピンも抗酸化力があるので、油と一緒に摂って吸収率を良くするのが、
人参料理のコツ。

 

③ すじ肉の味噌ワインスープ

野菜90%料理、残りの10%は、今回はすじ肉。高たんぱく低脂肪で
コレステロールも少ない。

プルプルのコラーゲンは、良質なタンパク質で吸収も良く、筋肉を作り
粘膜を保護し、骨粗しょう症予防にも効果がある。
赤血球を作る「ビタミンB12」が豊富なので、持久力もつく。
これにネギとキャベツをたっぷり入れ、ワインで煮て豆味噌をちょっぴり入れた。

コクがあるが意外にアッサリ味、そしてお腹が芯から温まって、なんだか落ち着く。

 

④ 青菜の納豆和え =青菜・納豆・切干大根

納豆を刻んで青菜で和え、からしを入れた。粘膜保護と胃の活性に。
なんて薬効を聞かなくっても、春には一番に食べたい料理。

 

⑤ 甘酒

脾臓には甘い物が薬になる。でも砂糖じゃなく天然発酵の甘味を。
食後なら血糖の上昇もムリがなく、脾気の影響を受ける「膵臓」にも優しい。
近頃は手軽に買えてうれしいね (⌒∇⌒)

 

そんなわけで季節の変わり目は体調がイマイチ安定しないが、
今朝、窓を開けると、目の先にうわ~と春が飛び込んだ。

枝に狭しと連なる花房は、「花桃」。
その花をついばんで、木々を渡る小鳥たち。

と、どこかからか、「ホー、ケキョキョ」とおぼつかないさえずりが…。

うぐいす!! 

なんと三年ぶりだ。
近くに高速道路の大規模な工事があって、森も藪も切り崩されて、
ここのところ鳴き声が聞こえなくなっていた。

でも帰って来てくれた…。
花桃も言ってるよ、「よくぞよくぞ」って ♬♪