前回のブログ①で、台湾の行医「荘淑旂先生」の長女・静子先生の著書が
ちょうど出版されたとお話しした。
書名は、「どう食べれば、最も健康になるか」
台湾名は荘静芬、50年以上も前、一家は日本で生活されていて、静子は日本名だ。
先生は日本語を「もう、忘れた」といいながら、「思い出すものだね」とだんだん会話がスムーズになっていた。
頭脳はとてもクリアだ。
実はこの方84才。
まあ、お肌の張りも手も足も、垂れていない、シワもない。
朝の6時。これからマラソンに行くところ。
なので、この服装なんだけど・・・。
日本で60才過ぎたら手足は見せないよね。
・・というか、見せられっこないよねぇ💦
先生は74才からマラソンを始めた。
10年経った記念にと、ベルギーで42キロを完走した!!
この本は40代のときのもの。
この時と比べても、エネルギッシュで明るくなっている。
「秘訣はなんですか?」
・・と聞いてみたいが、そんな質問は無意味だろう。
だってアノ、荘淑旂先生のもとで育てられたのだから、食べる物も生活も、理にかなった毎日に決まっている。
私は台湾と縁が深く、初めての旅は40年も前。
それ以来何度も来ているから、台湾の友人たちと交流が深い。
その間、私の台湾への印象はずっと変わらない。
● お肌ピカピカ。肥満体は見当たらない。
● フレンドリーでオープン。
● 客人、友人、家族に対して、思いやり深く・手厚く接し・そして太っ腹。❤
静子先生はそのどれをもクリアしている。
最後の日に、先生のお宅で春巻きパーティをした。
テラスの向こうは小高い丘。
シラサギが優雅に飛んでいる、空は青い。
春巻きは荘淑旂先生の発案の健康食だ。
仕事を持った女性が、一人だけ台所に立たなくて済むよう、
家族でテーブルを囲める食べ方をと考案された。
美智子様もその頃天皇だった陛下と一緒に春巻きを作られたという。
昔、天皇になる人は両親や兄弟と離され、侍従に囲まれ天皇教育を受けるという、庶民とは無縁の孤独な生活をされていた。
だから陛下は、春巻きに使うモヤシの根を、楽しそうにお取りになっていたそうだ。
そんな微笑ましいエピソードを、荘淑旂先生から聞かせていただいていたので、この春巻きは私にも格別のお料理だ。
ここには健康食がこれでもかと詰まっている。
冷たい食材5種と、よく火を入れた食材10種。
傑作なのは、ネギの白い部分を5センチほど切って刷毛に使うこと。
荘淑旂先生の、もったいない精神がここに表れている。
春巻きの皮に入れる食材たち。
こ~んなに。
パンクさせちゃいそう。
ネギの筆で、ケチャップと辛子を皮に塗って、材料を乗せていく。
ホラ、もやしの根っこと頭はちゃんと取ってあるでしょ?
食事の後、塩発酵トマトと塩発酵豆腐を教えてほしいと、先生は私にリクエスト。
トマトや豆腐をすでに用意してあるのだ。
ゲストに花を持たせる辺りも、静子先生の心配り。
塩発酵トマトは、トマトを切り、塩をまぶし、ビンに詰める。
それで全工程が終わる。
先生が出来上がった塩発酵トマトを、いきなり空中にほうり投げた !!
え? 何するのぉ?!
みんな目が点。
トマトが宙に浮いているぅ~~
「写真撮った?」、と先生は涼しい顔で尋ねる。
突然だもの、誰もカメラを構えてないよぉ。
「じゃあ、今度はちゃんと撮ってね」
・・というわけでこの写真だ。(笑)
とにかく場を楽しんじゃう。
そんなエネルギーの使い方こそ、若さのヒケツだとよくよ~く分かった。
先生は、私たちを迎えたその日、二人の顔を見てこう思ったという。
「ストレス抱えてる」・・と。
自分ではそんな事は思ってもいなかったが、
たった三日間、「楽しもうエネルギー」の中にどっぷりいて、自分が緩んでいくのがよく分かった。
そういえば、いつも外国から日本に降り立つと、上下左右からキュイイ~ンと、枠が迫ってくるような気がしていた。
枠組み社会だもんね、日本。
それでも私は、孫からは「陽キャラだよね」と言われる。
「陽気なキャラクター・陰気なキャラクター」と、世間では区分けされるらしい。
その、陽キャラ認定の私さえ、心配されるほどストレスフルに見えるんだ。
ここへ日本の人たちを連れてきたい。
“静子先生と楽しむ・丸ごとアンチエイジングツアー”
荘淑旂先生が遺された、食や生活方法を学び、元気を養う台湾の旅。
日本の友人知人を脳裏に置いて、一緒に来れる台湾を私はアチコチ目配りしていた。
だが、ツアーを実行に移すにはかなり大変な実情を、たった三日で突き付けられた。
★・★・★・★・★・★・★・★・
理由1⇒円が弱くなった。
つい三年前は、台湾の千元は、日本円で三万円だった。
今は五万円になっている。つまり6割の値上がりの感じ。
10年前に比べると、ナント2倍だからね。(シュン)
理由2⇒台湾の国力が上がった。
台湾名物のパイナップルケーキは、以前なら千円出せば上等なのが買えた。
今は包装も都会的でおしゃれになって、二千円を上回る。
ホテルも昔のような安宿でなく、おしゃれでSDGsを看板にするホテルになった。
以前なら駅の近くでも二千円で泊まれたが、今は七千円くらい。
というわけで、安くて庶民的な昭和を思い出させた台湾は、もういない。
台湾の国力の伸びはすごくって、一人当たりの実質GDP(国の付加価値=国の経済力2020年度)は、世界15位。
日本は31位に落ちた。
その活気の差を町のあちこちでジンジン感じた。
同じ時期、友人たちがインドに行ったのだが、
そこでも、日本の国力の低下を思い知らされたという。
円をルピーに両替してもらえないのだ。
町の両替屋がこう言った。
「日本円なんて売れないから、いらない」って。
どこかで私たちは、先進国だと図に乗っていたね。
いつの間にか、日本は取り残されている。
ハンドルを人任せにしていたんだ。
道を選ぶ努力さえ忘れてね。
そんな楽しくも衝撃的な台湾の旅を終えて家に帰ると、
ポストに不在連絡票が入っていた。
福島からの荷物だった。先日セミナーをした二本松の参加者からだ。
前々回のブログで、二本松講座の報告をした。
そこに大根の葉っぱを使った「ホネ元気振りかけ」を紹介したのだが、
そのレシピが二本松市の全戸に配られ、評判がよかったらしい。
灯台下暗し。大根づくりの農家さんは、葉っぱを使うなんて考えてもいなかったとか。
それで大根の葉っぱを天日干して、送ってくれたのだ。
右⇒カラカラに干した物=このまま揉んで振りかけにする
中⇒葉先が黄色くなった物は煮だして、お風呂や腰湯に使う
左⇒少し青さが残った物は、お湯に入れて戻す=味噌汁においしい。
荷物と一緒に足の太さほどの大根と特大デカキャベツ、
それに柿にキウイも新聞紙にくるまれていた。
その心づくしを広げた瞬間、私の心がフア~と空中に投げられた。
送り主は、フィリピンから農家にお嫁に来て十数年。二人の女の子がいる。
二本松では外国人も農業に従事していて、地域に溶け込み活動している。
そうか!!そうなのよ。
もう日本だけに留まらず、外国人たちと交わって元気な日本を作ればいい!!
そうして、これまで廃棄していた野菜や果物や魚を、安くて手軽な食材に生まれ変わらせればいい。
じつは最近その日を目指して、食の研究グループを立ち上げた。
古代小麦を使ったパン。
その小麦は、なんと縄文遺跡から発掘された種。
右端のバケットに乗っているのが、古代麦の穂だ。
それを都会の片隅で育てて、パンを焼いている人がいる。
左端は米粉のスパイスクッキー。
これを作ったのは、台湾旅行の同行者。
帰ってすぐ、台湾で買った漢方を入れて、力強いクッキーにした。
仲間たちはいま、独自の健康食品を作ろうと楽しんでいる。
というわけで、次なるステップを模索しま~す。(⌒∇⌒)