わが森に金蘭(キンラン)が咲いた。森じゅうに黄色い花が揺れていた。

金蘭は連休頃に咲いて、1週間ほどで姿を消してしまう、
きのこのような菌系の植物だ。
黄色いのはキンラン、白い花をつけるのはギンラン。
これまでは「あ、ここにあった」と、森の中にこの可憐な花を見つけて
喜んでいたのに、でも今年は一面に咲きほこって、さやさやと揺れていた。
これは森をしょっちゅう見守っているキンジイが熱心に下草を刈って
陽を入れてくれたからだろう。
でも意外な事に、キンジイの評判は今一つ。
なぜならここへ遊びに来る保育園児に「土は掘るな」、
犬にさえも「中に入るな」と、ロープを張って禁止事項を並べるのだ。
ロープが “ダメダメオーラ” を発するから、うちのメルもロープ内は避けて、
静々と散歩していた(笑)

でもさ、それではお互い淋しいじゃない。
だから、まちの有志も森の保全に乗り出すべく市の雑木林ボランティア講座で、
森の勉強をすることにした。
この森は『みんなの森』と名付けられている。
昔は薪を作る森だったが、次々開発されてここだけが残った時に、
住民のトラスト運動で残された森なので、この名がついたのだ。
世間は色とりどりの人々がいる。
でもみんなの総意が「この森を残したい」だった。
だからこの森は、全ての色を生かしあい、関わりあって、育ってきた。

そんな森が、平成の終りから令和の初めに、
金蘭をいっぱいに咲かせてくれた。
「キンジイも住民も、子供も大人も、犬も猫も」
仲良く生かしあっていくんだよと、森が言っているみたいに。
そんな街に住む90代~80後半の人たちに、
私は『元気教室』を開催している。
彼らはすごく元気だ。
一日3万歩も歩く人もいるし、私の講義に合いの手と、
驚くほど適格な助言をくれる。
健康そのものな彼らだが、膝だけが弱い。
そこで “かかと落とし” の時の立ち方をちょっと工夫した。

足の親指の骨(母指球)に重心をかけるように立つのだ。
そして両足の間は、拳骨一つ分だけ開ける。
これまでは肩幅に足を広げていたが、膝の悪い人は
O脚になってしまって、振動がうまく全身に伝わらないのだ。

肩幅に広げる 両足の間は拳骨一つ分
足全体で立つ 親指に重心をかけて立つ
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AとBの背中に注目。Aは少し丸みがある。
Bはすっと伸び、顎が内側に入っている。
Bの立ち方だと、使う筋肉がまるで違うのだ。
腿(もも)の内側が緊張し、骨盤を締める。

するとお腹の筋肉も連動して、締まってくる。

そして背骨を支える筋肉が伸びてくる。
首を支える筋肉も伸びてくる。

その結果、この姿勢となって、O脚の人も、
シャンとできて気持ちが良いと喜んだ。

親指に重心をかけるだけで、こうして体全体の筋肉が連動する。
すると踵を床に軽く落として、振動させるだけで、
“かかと落とし” のその振動が全身に伝わる。
もちろん、効果も早い。
これを日々繰り返すと、全身の体幹筋肉が鍛えられて腰痛や、
おなかの脂肪も減るはずだ。
この立ち方を見つけたのは、お伊勢さんの神事からだった。
式年遷宮が行われた時、さだまさし氏が招かれたようで、
「式の間中、踵を下ろしてはいけないと言われて辛かった」
と話しているのを、何かで読んだ。…聞いたのかな?

なぜ神を迎える時に、踵を上げていなければならないのか。
私はずっと疑問だった。
だから毎朝、神棚にお祈りするときに、踵をあげたまま祝詞を上げていた。
ある時、足の間を狭めたら、親指に力が加わった。
そしたら背骨ピン、頭シャキ!
う~ん、これだったのか。
神と一体になるには、猫背じゃダメなんだ!!
…やっぱ、天地人。一体にならなきゃね?
色とりどりな世の中が、全て交わり関わりあう。
それは究極の、体の使い方に通じていたなんて!!
発見したぞ~~ (⌒∇⌒)

